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April 30, 2026
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ソウル燃灯会(ヨンドゥンフェ)2026年完全ガイド:1,200年の歴史を持つ幻想的な蓮の灯りの祭典

ソウル燃灯会(ヨンドゥンフェ)2026年完全ガイド:1,200年の歴史を持つ幻想的な蓮の灯りの祭典

ソウルに5月に行くなら、5月16日の夜だけは絶対に予定を空けてください。

その夜、鍾路(チョンノ)の大通りに10万個以上の蓮の灯りが揺れ、30万人以上の人々が見守る中、1,200年以上の歴史を持つ祭典「燃灯会(ヨンドゥンフェ)」が幕を開けます。日本のお盆の灯籠流しが持つ静かな哀愁とは異なり、燃灯会はより荘厳で、そして圧倒的に華やか。夜の鍾路を歩くと、ふだんのネオンと喧騒が嘘のように、橙色の柔らかな光の世界に変わっていきます。

そして、すべてのイベントが無料です。


燃灯会(ヨンドゥンフェ)とは?

「연등회(ヨンドゥンフェ)」は文字通り「世界を照らすために灯りを点ける」という意味を持ちます。仏教の伝統において、灯りを点けることは無知を焼き払い、他者に光を捧げる行為とされています。

この祭りの歴史は1,200年以上に及びます。最古の記録は866年(新羅時代)、慶州の皇龍寺(ファンニョンサ)での灯籠祭典にさかのぼります。高麗王朝(918〜1392年)では仏教が国教とされ、燃灯会は「八関会(パルグァンフェ)」と並ぶ国家最大の祭典のひとつとして、王自らが参加していました。

現代の燃灯会が特別なのは、その宗教的な枠を超えた包容力にあります。仏教の行事として生まれながら、今では信仰や国籍を問わず、世界中の人々を受け入れています。2020年12月、UNESCOは燃灯会を「人類の無形文化遺産」に登録しました。UNESCO委員会は「この祭りは一時的に社会的な境界を取り除き、喜びを分かち合い、危機を乗り越える上で重要な役割を果たす」と評しています。

蓮の花のシンボリズムも印象的です。仏教では蓮は泥水の中から生まれながら純粋に咲く花として、すべての人の内に宿る精神的な可能性を象徴しています。10万個の灯りが夜の鍾路を流れる光景を目にするとき、その意味を知っているかどうかで、感動の深さが変わります。


2026年の全イベントスケジュール

祭りは約1ヶ月にわたって開催されます。メインとなるパレードを中心に、以下の日程でイベントが行われます。

日程イベント時間会場
4月22日(水)봉축점등식(点灯式・開幕)19:00 KST光化門広場
5月8〜25日전통 연등 전시(伝統灯籠展示)終日(日没後がおすすめ)曹渓寺、奉恩寺、清渓川、ソウル工芸博物館
5月16日(土)어울림마당(プレパレードイベント)16:30〜18:00 KST東国大学グランドスタジアム
5月16日(土)연등행렬(大蓮灯パレード・メインイベント)19:00〜21:30 KST興仁之門(東大門)→鍾路→曹渓寺(3.5km)
5月16日(土)회향한마당(パレード後の祝典)21:30〜23:00 KST曹渓寺周辺
5月17日(日)전통문화마당(伝統文化プログラム)11:00〜19:00 KST曹渓寺・鍾路周辺
5月17日(日)공연마당(伝統公演ステージ)12:00〜18:00 KST曹渓寺エリア
5月17日(日)연등놀이(夕暮れ灯籠遊び)19:00〜21:00 KST曹渓寺エリア
5月24日(日)봉축법요식(釈迦誕生日法要)10:00 KST曹渓寺

5月16日夜のパレードが燃灯会のハイライトです。 ソウル旅行の日程はこの夜を中心に組み立てることをおすすめします。


大蓮灯パレード:体験のポイント

パレードは興仁之門(흥인지문 / 東大門)から鍾路を経て曹渓寺(조계사 / チョゲサ寺)まで、約3.5kmのルートを2時間半かけて進みます。

日本の祭りの行列と比べると、その規模感は別次元です。10万個以上の灯籠を手に持った参加者の列、仏教のモチーフや韓国の伝統文化をかたどった巨大な光の山車——これが夜の大通りを埋め尽くします。

おすすめの観覧スポット:

  • 鐘閣(チョンガク)交差点 — 灯籠の密度が最も高く、最も撮影映えするポイントです。正面を確保するには90分前には到着を。
  • 東大門・鍾路5街(パレードのスタート地点) — 比較的空いており、まだ空に少し光が残る時間帯に山車が通過します。
  • 曹渓寺到着地点 — 静止した山車が寺の前に並ぶ光景は荘厳。パレード中盤の喧騒と対照的な、静かな余韻があります。

撮影のヒント:

  • 三脚は必須です。19:00以降は手持ち撮影ではブレが避けられません。
  • 清渓川(チョンゲチョン)の灯籠が水面に映る反射写真は日没後が最高潮。パレードの前後にぜひ立ち寄りを。
  • 曹渓寺境内では、礼拝や法要の最中はカメラを下げて場の雰囲気を大切にしましょう。

灯籠作りワークショップ:自分の手で蓮灯を

ワイヤーフレームと韓紙(ハンジ)を使って蓮の形の灯籠を手作りし、希望者はそれを持ってパレードに参加できます。これは燃灯会で最も体験型の、そして最も記憶に残るプログラムのひとつです。

基本情報:

  • 料金: ₩5,000〜₩15,000(灯籠の難易度による)
  • 所要時間: 1〜2時間
  • 定員: 1セッションあたり108名 — 仏教哲学における108煩悩の数に意図的に合わせられています。灯籠を完成させることで108の煩悩を手放す、という象徴的な意味があります。
  • 会場: 曹渓寺(チョゲサ寺)および参加協力施設

ソウル旅行の計画と同時に、まずワークショップの予約から始めることをおすすめします。


外国人もパレードに参加できます

観覧だけでなく、外国人もボランティアとして大蓮灯パレードに参加することができます。灯籠を手に韓国の参加者と一緒に鍾路を歩く体験は、見る側からは決して味わえない感動があります。

英語対応のボランティアガイドが会場全体に配置されており、国際的な法師による指導も行われています。

持ち物チェックリスト:

  • コンパクトな傘またはポンチョ(5月のソウルは雨が降ることも)
  • 軽めの上着(5月の夜は10〜14°Cまで下がります)
  • 三脚(写真撮影に本気の方)
  • 現金(灯籠作りの材料費:₩5,000〜₩15,000)

パレード以外の楽しみ方

燃灯会は1夜だけのイベントではありません。

清渓川(チョンゲチョン) 水面に映る灯籠の反射はパレードとは異なる静寂な美しさがあります。日没後が最高の撮影時間帯で、パレードルートからも歩いてアクセス可能です。

曹渓寺(チョゲサ寺) 韓国仏教の総本山として鍾路の中心部に位置します。5月を通じて境内全体が蓮灯で飾られ、5月16日のパレード後の祝典、5月17日の灯籠作り・瞑想・茶道体験・精進料理のすべてがここで行われます。

奉恩寺(ポンウンサ / Bongeunsa) 江南区に位置し、地下鉄奉恩寺駅(9号線)から直結。江南エリアに宿泊している方や、曹渓寺の混雑を避けたい方にとって、静かで見応えのある代替スポットです。灯籠展示は5月を通じて開催されています。

5月17日(日)の伝統文化デー パレードの翌日、11:00〜19:00に曹渓寺・鍾路周辺でより参加型のプログラムが行われます。灯籠作り、瞑想、伝統音楽・舞踊の公演、茶道、精進料理の試食——祭りの静かな側面を体験するのに最適な1日です。


アクセスと実用情報

最寄り駅:

  • 鐘閣(チョンガク)駅(1号線) — パレードルートの中間地点
  • 興仁之門 / 東大門(1・4号線) — パレードスタート地点
  • 安国(アングク)駅(3号線) — 曹渓寺(パレード終点)の最寄り

パレード当日、鍾路周辺への車での移動は避けてください。通行規制が広範囲に及び、地下鉄の方が確実に速いです。

天気対策: 5月のソウルは昼間15〜20°C、夜間は10〜14°Cまで下がります。折りたたみ傘とライトジャケットを忘れずに。

入場料: すべて無料です。

バリアフリー: メインパレードルートの鍾路は平坦で舗装されており、車椅子対応の観覧スペースも設けられています。


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