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April 9, 2026
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韓国の東西トレイル2026:849kmの縦断ハイキングが世界の注目を集める理由

韓国の東西トレイル2026:849kmの縦断ハイキングが世界の注目を集める理由

韓国のハイキング事情、最近のSNSで目にしたことはありますか?実は、韓国はいま世界の長距離トレイル愛好家たちから大きな注目を集めているんです。その理由が、2026年にほぼ全線が開通する東西トレイル(동서트레일)

西海(黄海)から東海(日本海)まで、半島を横断する849km(527マイル)のルートです。ナショナルジオグラフィックが発表した「Best of the World 2026」で韓国が選ばれた主な理由のひとつがこのトレイルで、Timeout、AFAR、Wanderlustなどの旅行メディアも相次いで特集を組んでいます。

日本の「四国お遍路」や「熊野古道」を歩いたことがある方には、ぴんとくるかもしれません。ただ、東西トレイルはスケールも地形の多様性も、また違う体験を提供してくれます。


東西トレイルとは?

「東西(동서)」はそのまま「東と西」を意味します。ルートは充清南道・泰安郡の安眠島(アンミョンド)を西海側のスタート地点として、慶尚北道・蔚珍(ウルジン)の東海沿岸まで続きます。

トレイルは55のセクションに分かれており、各セクションは約15〜16km。日帰りでひとつのセクションを歩くのに適した設計です。全行程を通しで歩くには40〜50日かかります。もちろん、気になるセクションだけを選んで部分的に歩くことも可能です。

ルートの魅力は、その多様性にあります。西海の砂浜や松林から始まり、内陸の山岳地帯、静かな農村、仏教寺院、そして東海の断崖と、韓国の風景が凝縮されています。23以上の国立公園エリアを通過するため、自然の質も高い。


なぜ2026年が狙い目なのか

正式な全線開通は2027年の予定ですが、2026年にはほぼ全区間が歩けます。まだ観光客が少ない「開通初期」に訪れられるのは、今年ならではのメリット。

日本の熊野古道が世界遺産登録後に混雑するようになったのと同様に、東西トレイルも国際的な知名度が上がれば混雑することが予想されます。今のうちに計画を立てておくのが賢明です。

また、韓国のアウトドア文化は近年急成長中。2020年以降、キャンプ登録者数が毎年増加し、週末の山ではトレッキングウェアに全力投球の韓国人ハイカーと、頻繁にすれ違います。そのエネルギーを感じながら歩けるのも、韓国トレイルならではの楽しみです。


ルートの見どころ

西海沿岸(セクション1〜8):泰安コースト

スタート地点の安眠島と泰安半島エリアは、韓国の中でも穴場的な海岸風景が広がります。砂丘、松林、黄海特有の干潟と光景——ソウルの繁華街とはまったく違う韓国の顔です。

春は海岸の野花も見事で、泰安国立公園内にある天利浦樹木園(チョルリポ・アボリタム)では1万5000種以上の植物が観察できます。

中央高地(セクション20〜40):小白山・太白山脈

トレイルの核心部ともいえる内陸セクション。標高1000m超の峠もあり、体力的にしっかりとした準備が必要です。ルート沿いには法住寺(ボプジュサ)麟角寺(グインサ)など歴史ある寺院も点在しており、宿泊や精進料理を楽しめる場所もあります。

東海到着(セクション48〜55):蔚珍フィニッシュ

東海側のゴール付近は、断崖と松林が連なるドラマチックな景観。深い青の海が眼下に広がる感覚は、長い行程の終わりにふさわしいクライマックスです。


実用情報:計画の前に知っておきたいこと

スタート地点へのアクセス:ソウルからKTXまたはバスで泰安まで約2.5〜3時間。泰安からバスで安眠島へ。

ゴール地点からの帰路:蔚珍からバスで浦項または慶州へ、そこからKTXでソウルへ(計4〜5時間)。

宿泊・食事:ルート沿いに90の指定休憩村(쉼터)があり、食事と宿泊を提供。テント泊の義務はなく、村を拠点に歩くスタイルが韓国式です。野営(野外テント)は禁止なので、指定サイトを事前に予約しましょう。

1日あたりの予算:宿泊・食事で₩40,000〜₩70,000(約4,500〜8,000円)程度。交通費・装備は別途。

ベストシーズン:4〜6月、9〜11月。夏(7〜8月)は高温多湿のため、山岳区間は特に注意が必要です。

ナビゲーション:韓国国立公園サービスの公式アプリにGPSウェイポイントが収録されています。案内板は韓国語・英語の両方で設置されています(日本語は一部エリアのみ)。


日本のトレイルとの比較で見えること

日本のお遍路(四国88か所)や熊野古道と比較すると、東西トレイルの特徴がよく分かります。

東西トレイル四国お遍路
距離849km約1,200km
所要日数40〜50日45〜60日
宗教的背景なし(自然・文化)仏教巡礼
地形多様性非常に高い(海〜山〜農村)中程度
混雑度(2026)低い(開通初期)高い(確立済み)

東西トレイルは宗教的な意味合いはなく、純粋に「国土横断」という達成感と自然体験が目的。韓国の日常的な村文化に触れながら歩けるのが、このルート最大の魅力かもしれません。


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